北海道の中でも、札幌から小樽へ向かうルートは四季折々の表情が楽しめる、王道のドライブルートです。都市と港町を結ぶこの道は、自然、グルメ、歴史が調和した贅沢なひとときを与えてくれます。
今回は、このクラシックルートの見どころを季節ごとにご紹介していきます。
季節別見どころ
春の札幌から小樽への道中では、まず円山公園の桜や、手稲山の残雪と新緑が織りなすコントラストが楽しめます。新川通りや国道5号線では、春風を受けながらの爽やかなドライブが魅力で、目的地に近づくにつれて港町ならではの潮の香りが漂ってくるのも印象的です。
夏は、視界いっぱいに広がる青空と海のきらめきが最大の魅力です。札幌市内から少し離れると石狩湾が現れ、海沿いを走る道からは日本海の雄大な景色を満喫できます。朝の早い時間に出発すれば、小樽運河周辺の人気スポットも比較的空いており、ゆったりとした観光が可能です。
秋になると、手稲山や定山渓付近の紅葉が見頃を迎え、ドライブが一層華やかになります。小樽市内の歴史ある石造りの建物に、赤や黄色の葉が映える光景は、写真好きの方にもたまらない瞬間でしょう。
そして冬には、札幌から小樽までのルートは一変して白銀の世界に包まれます。とりわけ冬の小樽は幻想的で、小樽運河に灯るガス灯の灯りや、雪化粧をした倉庫群が訪れる人を非日常へと誘います。
おすすめ絶景スポット
札幌からの道中でぜひ立ち寄りたいのが、張碓(はりうす)展望台です。ここは国道5号沿いにある穴場スポットで、日本海を一望できるパノラマビューが楽しめます。晴れた日には積丹半島まで見渡せることもあり、天気に恵まれれば思わず車を停めたくなる景色が広がります。
もうひとつのおすすめは、小樽の天狗山展望台です。車で山頂まで登れるアクセスの良さもあり、昼間は海と街のコントラストが美しく、夜には小樽市街の夜景が一望できます。とくに夕暮れ時は、日没とともに海と空が黄金色に染まり、ロマンティックな雰囲気に包まれます。
道中の絶景だけでなく、小樽運河周辺も外せません。観光地として有名ですが、時間帯によってまったく異なる表情を見せてくれるのが魅力です。朝は清々しい空気の中に歴史を感じさせ、夜はライトアップで幻想的な雰囲気に変わります。
ドライブ時の注意点
札幌から小樽までの距離はおよそ40kmほどと短く、1時間程度でアクセス可能です。しかし、気候や路面状況によっては慎重な運転が求められます。特に冬場はブラックアイスバーンと呼ばれる見えない凍結が発生しやすく、制動距離が伸びるためスタッドレスタイヤや4WD車の利用が望まれます。
また、夏場でも観光シーズンは渋滞が発生しやすく、特に週末や祝日は札幌市街の出口付近や小樽市内の幹線道路が混雑する傾向があります。早朝や平日を狙って出発すると、スムーズで快適なドライブが実現できます。
さらに、途中で立ち寄る予定の展望台や観光スポットには駐車場の有無や利用時間を事前に確認しておくと安心です。小樽市内の中心部では一方通行や狭い道も多いため、ナビゲーションに頼りすぎず、事前にルート全体を把握しておくことをおすすめします。
ドライブそのものは短距離ながら、季節や時間帯によってまったく異なる魅力を発見できるこのルート。安全に配慮しつつ、ゆとりをもって楽しむことで、より豊かな時間を過ごすことができるでしょう。